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室町ケミカル株式会社

チャレンジ精神で急成長を果たした室町ケミカル さらなる事業拡大に向けて人材募集中!

福岡県大牟田市に本社を構え、医薬品の製造販売・化学品事業・健康食品事業を3本柱とする室町ケミカルは、1917(大正6)年設立の歴史ある会社だ。

福岡県須恵町で目薬の製造販売からスタートし、昭和初期には家庭医薬品メーカーとして朝鮮・台湾にも販路を伸ばした。戦時中に一時会社を解散したが、戦後事業を再開。医薬品事業のほかヨーグルトなどの食品製造も開始したものの、人工甘味料・チクロが1969年に使用禁止となったこともあり撤退を余儀なくされた。その後、1971年にムロマチテクノス(旧室町化学工業)の資本参加を受けてムロマチグループの一員となり、1998年には現社名「室町ケミカル」に改称した。

紆余曲折をたどった同社だが、2000年代に入ると急速に売り上げを拡大する。国がジェネリック医薬品(後発医薬品)の使用を推進したことを背景に医薬品原薬の製造、輸入販売が伸張。健康ブームの到来を受けて健康食品事業にも参入し、ゼリーサプリメントの開発販売やOEM(受託製造)にも力を入れて売り上げを伸ばした。

2011年にはディーゼル排ガス処理用の尿素水工場を新設し、高品位尿素水「AdBlue®」の製造・販売を開始。イオン交換樹脂や分離膜、精製装置の販売などを含めた化学品事業が3本目の柱となった。

M&Aも進め2014年に医薬品合成会社の東進ケミカルを子会社化して医薬品事業を強化、同年12月にはグループの販売会社・ムロマチテクノスを吸収合併し、営業力強化を図ってきた。そして2021年2月、東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)へ新規上場を果たし、さらなる事業拡大を図ろうとしている。

ダイバーシティ経営で急成長

2019年まで社長として事業拡大の陣頭指揮をとってきた村山哲朗相談役は、「常に挑戦する姿勢を忘れず、成長し続ける企業でありたい」と若手社員にも可能な限り権限を委譲するなど、社内にチャレンジ精神を植え付けて来た。

その結果、2005年に約10億円だった売上高は、健康食品事業など新規事業への参入もあって6年間で40億円超に、経常利益は8倍に伸びるなど急成長を果たした。その方針は2019年12月に社長のバトンを受けた青木淳一氏にも引き継がれている。

「学歴や性別、国籍にとらわれず実績と能力で社員を評価することは、今でこそ多くの企業が掲げていますが、当社は前社長時代から実践してきました。部課長の平均年齢は43歳で、年齢に関係なく能力を示せばポストに就くことができるのは当社の特徴だと思います。

契約社員として入社し部長職になった高卒の社員や、外国人の管理職、女性にも管理職として営業の第一線でバリバリやっている社員もいて、様々なバックグラウンドを持つ人材が活躍しています」

青木淳一社長

ダイバーシティ経営という言葉が注目される以前から多様性を重視してきた同社では、仕事の進め方にも比較的自由が利く。総務部門で会社の成長を見てきた取締役管理本部長の井内聡氏は、自社の職場環境をそう分析する。

「当社は社員数約300人の小規模な会社ということもあり、ある程度の経験があれば自身の裁量で仕事ができます。自分のスタイルを確立して実績を上げている社員は多くいます」(井内氏)

こうした自由な環境の中で自発的に動き、スキルを身に付けている社員も少なくない。青木氏はそんな意欲的な若手社員の成長ぶりに目を細める。

「どうすればお客さんに可愛がられ、頼りにされ、話を引き出せるか。こうしたことは教えようと思ってもなかなか難しいのですが、それができている若手社員は多いと感じます。先輩社員に同行し、同業者や関連会社と打ち合わせする時の様子をよく観察・研究しているのでしょう。当然ですが、そういう社員ほどプレゼン能力が高く、お客さんの懐に入って結果を出しています」(青木氏)

自主的に動くことで、得られる達成感も大きい。それが仕事のやりがいにつながっている。

「ある女性社員はお客さんとの打ち合わせの途中で、その課題に対応できるかどうかを当社の開発担当に電話で確認したそうです。確認を終えて『大丈夫です』と答えた瞬間、その場にいたお客さんたちに拍手されたと聞きました。お客さんの役に立って喜んでもらえることは、私も経験がありますが、本当に仕事の醍醐味といえるものです」(青木氏)

社長・上司との距離の近い社風

社長の青木氏も大手上場企業などでの勤務を経験し、2010年に室町ケミカルに入社した中途採用組の一人だ。入社して驚いたのは、それまで在籍していた会社との雰囲気の違いだったという。

「以前勤めていた会社では社長が工場に来る時には、現場に大きな緊張感がありました。当時はそれが当たり前と思っていたのですが、この会社では全くそういうことがないんです。

前社長の村山相談役は普段はとてもフランクで、だけど締める時は締める。そのメリハリがありました。社長と率直に話ができることは有難いことだと思っていましたし、上の立場としての考えを話してくれるので会社の方針も分かりやすかった。その経験がありましたので、社長になってからは社員と話す時間をつくることを意識しています」(青木氏)

前出・井内氏もこう続ける。

「はたから見ていて、社長や部課長などの役職者と社員の距離の近さを感じます。社員が社長と立ち話をしている姿もよく見掛けますし、上司と話をすることへの敷居が高くないというか、そういう雰囲気があります」(井内氏)

社長と社員の立ち話。いったい、どのような会話が行われているのか。

青木氏はこう証言する。

「いたって普通の会話です。そうですね、それぞれの仕事で抱えている課題や悩みについて話すことが多いですね。ほかにも職場の雰囲気はどうか、嫌な思いをしていないか、また場合によってはプライベートの話など、いろいろですね。最近はコロナ禍ということもあり、天気がいい日には『ちょっと外で話そうか』と言って、青空の下で立ち話をすることも増えました。

『いま、こういうところで躓いているんです』という話が出てきた時には私のできる範囲内でアドバイスはしますが、簡単に解決策が出るわけではありません。それでもそうした声が聞けるだけで、よいと思っています」(青木氏)

社員たちが自分の考えを直接上役に伝えることができる環境は彼らのモチベーションを高め、チャレンジ精神を後押しすると同時に、青木さんら経営層にとっては会社の現状を把握する機会にもなっている。

ベテランの経験も重視

チャンスを与えられ、奮闘しているのは若手社員だけでない。豊富な経験を持つ人材に対する期待も大きい。関東のある医薬品メーカーで開発部門の責任者を務め50歳の時に室町ケミカルに入社してきた社員は、5年足らずで医薬品の事業部長まで上り詰めた。また定年となる65歳を過ぎてもスキルを買われ、継続して働いている社員もいる。

「ベテランのスキルや知識は重視しています。若い人が一生懸命頑張っても及ばない部分、経験がものを言う部分は、特に我々のような製造業には存在します。そのため一定のスキルを持つ社員には65歳以降も継続して働いてもらっています。スキル面での寄与だけでなく若手社員への指導やアドバイスなどもしてもらえ、本当に助かっています」(青木氏)

高い経験値があれば50歳を過ぎて入社しても、さらに上のポジションを目指せる。定年を迎えてもスキル次第で継続雇用の道もある。年齢に関係なく能力やスキルを重視する対象は、若手だけでなく年配者にも及ぶ。

中途採用社員には東京からのUターン組も多いというが、待遇面はどうだろうか。

「九州の同業種と比べると大差ないと思いますが、東京や大阪の同業他社に比べると正直、まだ劣ると思います。ただ、その方の持つスキルなどによって増額することもありますし、そのへんはフレキシブルに対応しています。もちろん成果を出した結果として、前の会社の年収を大きく上回っている社員もいます」(青木氏)

環境貢献が目に見える仕事

医薬品事業、化学品事業、健康食品事業の3つの事業に共通しているキーワードは「健康」と「環境」。いずれも社会貢献を実感できる仕事だ。例えば現在、化学品事業部で開発を進めているのが、使用済天ぷら油などの廃食油からつくられる「バイオディーゼル燃料」を、更に効率良く精製し「高品位のバイオディーゼル燃料」を製造する装置だ。

バイオディーゼル燃料は、植物油から作られるディーゼルエンジン用のエコロジー燃料で、トラック、重機、トラクター、発電機、ボイラーなどで軽油の代替燃料として使用され、燃費や走行性能は軽油とほぼ同等である。石油由来の軽油は走行した分だけ温室効果ガスである二酸化炭素を排出する一方だが、植物油由来のバイオディーゼル燃料は植物の成長過程でCO2を吸収するため、ライフサイクル全体(始めから終わりまで)でみると大気中のCO2を増加させず、CO2排出量の収支は実質ゼロ(カーボンニュートラル)で地球温暖化防止に大きく寄与する。

「一般的に普及しているバイオディーゼル燃料は、廃食油にメタノールやアルカリを添加して化学反応により合成されたものですが、ユーザーからは『燃焼不良が起きた』『黒い煙が排気口からたくさん出る』などの声も聞かれます。それは十分に精製できていないということですから、我々で効率が高く実用的な精製装置を創ろうとパートナー企業数社と共同で開発に乗り出しました。すでにラボ試験をクリアして実機での試験に移っていますので、今夏以降には販売できると思っています」(青木氏)

環境意識が社会全体で高まる中、同社の技術力に対する注目と期待も高くなっている。

「化学品事業の場合、お客さんから相談を受けることが環境貢献への第一歩になります。そして課題を解決すると、『廃液がこれだけ減った』というふうに、環境への貢献が目に見える形で実感できる。社員は顧客だけでなく環境にも貢献していることを実感しながら、胸を張って仕事に取り組んでいます」

医薬品部門の営業職、現場管理職を募集

株式上場を機にさらなる事業拡大を進めている同社にとって、経験豊富な人材の確保が喫緊の課題となっている。現在は、売り上げの50%を占める主力事業の医薬品部門の中途採用を優先して進めている。

「まずは医薬品事業の営業部門を強化したいと考えています。医療は少し特殊な業界ですので、医薬品のルート営業の経験者など業界のことをある程度、把握している方を優先しています。医薬品など製造現場の管理職も募集しており工程管理のほか、工場内で設備の効率的な配置などを行っていただきます。個々の機械の知識などがあれば大変助かります」

上場したとはいえ、「会社の認知度はまだまだ低く、企業PRが課題」と青木氏。決算説明会で投資会社から「魅力的な仕事をしているんだから、もっと情報を発信してはどうか」と提言を受けたと明かす。そのためか青木氏の声にも自然と力が入る。

「地元の方はもちろん、東京などでキャリアを積み、九州に戻って働きたいと思っている方は大歓迎です」

実直・熱心で、若手もベテランもお客さんのために最善を尽くす。取材を通して感じたのはそんな社風だ。意欲にあふれ、自分たちの仕事に自信と誇りを持ち、使命感に燃える社員たちが、同じ志を持つ仲間たちを待っている。

【採用情報】

■求人職種
化学品開発の設備(装置設計等)/品質管理

■雇用形態
正社員

■勤務地
福岡県大牟田市(本社)

■勤務時間
9:00~17:30(※場合によっては交替勤務有)

■賞与
年2回

■諸手当
交通費(上限40,000円までの実費)、家族手当(扶養者1人目15,000円、2人目10,000円,3人目~5,000円)、住宅手当12,000円(世帯主の場合※借上げ社宅適用者は支給無)

■休日
土・日・祝日・夏季休暇・年末年始休暇 (年間休日121日)

■その他
雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金保険

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EDITORIAL NOTE
取材後記

担当・光本宜史

液体処理という耳慣れない事業を手掛けている上場企業。訪問前は堅くて、真面目な会社というイメージを持っていました。ところが取材を始めてすぐに、そのイメージは覆されました。肩肘張らずリラックスして話ができる雰囲気。専門的なことも端折らずに、分かりやすく説明してくれる丁寧さ。社長と社員のやりとりを見ていると、社内で立ち話をしているというのも頷けました。地方企業の持つ大らかさと能力主義が程よく融合され、社屋を包んでいた新緑のような伸びやかさを感じました。

光本宜史

光本宜史

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1972年、福岡県北九州市生まれ。西南学院大学卒。地域経済誌、マーケティング・コミュニケーション専門誌を経て、2014年に独立。経済誌、スポーツ誌、ウェブメディア、社内報などの媒体を中心に取材執筆を行うほか、書籍やウェブサイトの編集企画・執筆も手掛ける。著書に『幸せを届けに~五輪ランナー小鴨由水 もう一つのゴール』(海鳥社・2019年)

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