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わたしのみたて#03「福岡での仕事事情」移住ライターの福岡暮らしコラム

こんにちは。東京でWebメディアのライターや編集者をしていた、田村と申します。本連載では、東京圏から福岡に移住した私が、日々を過ごす中で気づいたこと、ぶつかった壁、文化・ルールの違いなんかをありのままにご紹介していきます。移住を検討されている方の参考になれば嬉しいです。

移住から1年半 見えてきた福岡のお仕事事情

美味しいものを堪能し、ソフトバンクホークスのクラブ会員になってPayPayドームに足繁く通い、いろんなコミュニティの人と出会うなど、移住からあっという間の1年半が過ぎ去りました。とにかく暮らしやすい!!

〈▲ 私のプライベート福岡ライフの1年半を1枚絵にしてみたら、食べ物とお祭りの割合が多くなってしまうという〉

そんな中で今回は、1年半で感じた福岡の仕事事情を書きたいと思います。あくまでフリーランスのライターとして仕事をしている「わたし=田村」の「みたて=個人的見解」なので、それなりのバイアスがかかっていることを前提でお読みください。

行政や経営者、UIターン人材とつながりやすい

ビジネス系のイベントによく行くのですが、UIターンや起業家・経営者、東京の仕事を福岡でしている人、行政の人と出会う確率がとても高いです。しかも、福岡市の人口は東京の約9分の1だから、一度出会った人と別のシチュエーションで再会するケースが頻発します。

これはあくまで私の体感ですが、東京圏で仕事をしていた20年よりも、福岡の1年半の方が圧倒的に人とつながるスピードが早い。

しかも、ビジネスライクなつながりではなく、飲みに行ったり一緒に何かを始めたりと、かなり濃いつながりがたくさん生まれました。もちろん、新しい仕事にもつながっています。

また、福岡市の博多駅から北九州市の小倉駅までは新幹線で15分の距離なので、北九州の企業や人、行政との出会いもかなり多く、いろんなネットワークを築けていますし、それも仕事につながっています。

飲みの場から仕事が生まれる

飲み会や会食などの場から、新しい仕事やプロジェクトが生まれることがあります。「いいね、それやろうよ」と話が盛り上がり、実際に翌日から動き出す…なんてことも。飲みの場の社交辞令で終わらないのが、福岡の面白さだなと思います。

UIターンの人が活躍しやすい状況ではある

これは福岡が暮らしやすく、QOLが高くて幸せだから生まれている現象だと思うのですが、生粋の福岡人の中で転職やキャリアを考える人はまだ少ない印象があります。

その理由は、

・周りに転職した人(ロールモデル)が少ない

・そもそも転職を考えたことがない

・キャリアに悩んだときに相談できる人がいない

など、いろいろあると思います。

一方で、福岡で出会ったUIターンの人は、

・東京から持ってきた仕事以外に、福岡での副業が増えた

・福岡で複数社のお手伝いすることになった

という人ばかりなんです。

福岡は、いきいきと活躍しているUIターンの人が多い印象。その背景を推測すると、

・福岡のレガシー企業はDXや新規事業創出が必要だけど人が足りていない

・9年連続で年間50社以上の国内外企業が福岡市に新たに拠点を構えているから、情報感度の高いUIターン人材は、福岡に次々と参入する企業や人と出会いやすい

・スタートアップのスケールが福岡市の課題になっているから、スケールさせた経験のある人は重宝される

この辺りが挙げられると思います。

いろんなところに顔を出すのが吉

福岡市はスタートアップ支援が強力ですし、企業誘致も積極的です。海外企業も進出できるよう、グローバルブランドのホテルが出来たり、最新オフィスビルの建設が急ピッチで進んでいます。

そこに新しく入ってきた人たちと何かしらのご縁でつながりやすいのが福岡の良さなので、積極的にいろんなところに顔を出して、いろんな人とつながりながら情報収集していけば、東京での経験やキャリアを生かした面白い仕事ゲットにつながるかもしれません。

加えて、社長が3代目、4代目に代替わりしている老舗企業は、しっかりした事業基盤を活用して新規事業などに取り組んでいる、という話をよく聞きます。しかも、社長自らが取り組んでいるケースが多いので、そこにもチャンスはあると思いますよ。

福岡での仕事に不満はない?

今のところ、ストレスに感じるような不満はありません。逆に私がライターとして記事を書き、情報発信のお手伝いをすることに喜んでいただけていますし、どの企業も良くしてくださっています。取材先との会食もよくあって、福岡らしいなあと思っています。

ただそれは、私が出会うのはUIターンや行政の人、経営者が多いからなのかもしれません。同じようにフリーランスの人やパラレルキャリアの人ならさほど不満はないと思いますが、福岡に移住して福岡の企業に勤めている人の見え方は違ってくると思うので、次回までにいろんな人の声を集めたいと思います!

EDITORIAL NOTE
取材後記

担当・田村 朋美

東京の仕事をそのまま持ってきて移住生活をスタートさせましたが、現在は福岡の仕事も全体の4割くらいまで増えています。しかも、最初は「報酬が少ないかも」と危惧していましたが、全くそんなことはありません。QOLの高い暮らしを実現させながら、いろんな仕事ができる。東京から出たことで私に貢献できる新たな領域の発見にもつながりました。

田村 朋美

田村 朋美

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宇部高専を卒業後、2000年雪印乳業に入社。その後、広告代理店、個人事業主を経て、2012年ビズリーチに入社。コンテンツ制作に従事。2016年にNewsPicksに入社し、BrandDesignチームの編集者を経て、現在は再びフリーランスのライター・編集として活動中。

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